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トップページ > 導入事例 > 医療法人社団翠会 成増厚生病院

精神科診療に特化したWeb電子カルテシステムを導入。
グループ内の複数施設での情報共有も実現。


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医療法人社団翠会 成増厚生病院医療法人社団翠会 成増厚生病院

医療法人社団翠会 成増厚生病院(以下、成増厚生病院)は、2003年4月に、精神科向け電子カルテシステム「APIUS Psyche」を導入。全職種のカルテ記載と各種オーダリングのシステム化を実現し、医師、看護師、ケースワーカーなど、診療に関わる職員の情報共有を実現しました。さらに現在では、成増厚生病院内だけでなく、翠会グループ内の他のクリニックや施設でも同システムを利用できるようにし、グループ全体で患者情報を共有し、質の高い医療に役立てています。

 ■お客様ニーズ
紙カルテは、必要なときに必要な情報を参照することができない
新貝 憲利氏
医療法人社団 翠会
理事
成増厚生病院
院長 新貝 憲利 氏
成増厚生病院は、一般精神科医療、アルコール関連医療、老人医療・福祉の3分野を柱とした総合精神科病院です。母体である翠会は、成増厚生病院をはじめとして、複数のクリニックや特別養護老人ホーム、さらには訪問介護サービスを提供する翠生会なども加わり、医療だけでなく広く患者の生活全体を支援する体制を整えています。

成増厚生病院院長の新貝憲利氏が、電子カルテの導入を考え始めたのは2000年頃のことです。

「一般的に精神科の治療は長期間に及ぶケースが多いため、カルテ情報も膨大になり、一冊で収まらず複数冊になることもしばしばです。また、診療に関わるスタッフも、医師、看護師、ケースワーカーなど、多数にのぼります。こういう状況下で、診療に関わるスタッフが、患者さんの状況を正しく把握し情報共有するにはどうすればよいか、というのが大きなテーマでした。また将来的には、地域の他の医療機関や施設との連携も必要になると予想していました。これらの課題解決のためには、電子カルテシステムが有効ではないかと常々考えていたのです」(新貝氏)

また、成増厚生病院東京アルコール医療総合センター センター長の垣渕洋一医師も、紙カルテの課題を次のように語ります。

「カルテを保管するためのスペースが、物理的に不足するというが1点です。また、倉庫に保管してある過去のカルテを再び取り出して参照する際には、かなり時間的なムダが発生します。つまり、紙のカルテでは、必要なときに必要な情報がすぐに参照できないのです」



 ■ソリューション
グループ内の複数施設で情報共有するために、「Webアプリケーション」であることが必須条件
米沢 宏 氏
慈友クリニック 院長
米沢 宏 氏
電子カルテシステム導入に際して、当初、現場からは疑問の声も上がりました。
一つは、パソコンに触れたことのないスタッフが、当時半数くらい在職していたという点です。
そしてもう一つが、精神科独特のカルテの記載方法でした。成増厚生病院の関連クリニックである慈友クリニック院長の米沢宏氏は、次のように語ります。

「一般の診療科目ならば、検査データなどが多く、医師のコメントはあまり多くないはずです。しかし、精神科のカルテは、医師の書き込みが非常に多いのが特徴です。患者さんが話す内容をそのまま記載した上で自身のアセスメントを書き加える医師もいるくらいです。ですから、それだけで何ページにもなってしまうのです。このような記述中心のカルテを電子化できるのか、私自身も疑問を感じていました」(米沢氏)

しかし、「電子カルテシステムの利用を拒んで辞めるスタッフが出てもいたしかたない」(新貝院長)という強い思いで導入を決定。導入にあたっては、一般病院の電子カルテシステムで実績のあった株式会社アピウス(以下、アピウス)の「APIUS Psyche」(アピウス プシュケ)が採用されました。

導入の際の必須条件は、Webアプリケーションにするということでした。その理由は、「将来的には、成増厚生病院だけではなく、グループ内の通院施設であるクリニックや他の施設、さらには地域の医療機関とも連携して、診療情報を活用したかったから」(新貝氏)です。

そのため、ミドルウエアとしてIBM WebSphere®ソフトウェアを採用。また、利用者が多いシステムであることから、IBM DB2® Universal Databaseのレプリケーション機能を用いて参照用のサーバーを別に用意し、システムの障害にも備える仕組みにしています。

長期間にわたる生活暦を記録できる生活暦年表画面(左)と、家族構成、病歴・同居形態・家族間関係線も簡単な項目の入力とマウスを使用したシンプルな操作で作図ができるジェノグラム作成画面(右)
※画像をクリックすると拡大します(287KB)



 ■導入効果
グループ内での情報共有が加速。カルテの見読性も高まる
漆畑 志津香 氏
成増厚生病院
病棟師長
漆畑 志津香 氏
電子カルテを実際に運用開始したのは2003年4月です。当初はオーダリングから開始し、その後4カ月ほどの期間をかけて段階的にカルテまでの電子化を実現しました。

導入前に心配していた、スタッフ全員が使いこなせるかという点も、講習会を開催するなどして解決しました。また、医師の記述部分が多いという心配に関しても、実際には大きな問題にはなりませんでした。

米沢氏は、「今では、手書きよりもかえって早く書けるようになりました。むしろ手書きをやめたことで、『他の人が読めるカルテ』になりました。医師が書き込んだ内容は、当然看護師など他のスタッフも読みます。カルテの見読性が高まることは、医療関係者全員にとってのメリットとなるのです」と語ります。

また、看護師としての立場から電子カルテのメリットを語るのは、病棟師長の漆畑志津香氏です。

「見読性の向上もさることながら、紙のカルテでは、誰かがカルテを持っていると、他の人は読むことができませんでした。つまり、必要なときに必要な情報を見ることができなかったわけです。電子化されたことで、スピーディーに情報共有できるようになりました」と言います。

電子カルテによって情報共有できたのは、院内だけではありません。翠会グループの他のクリニックや施設でも、同じシステム上の電子カルテを利用しています。各クリニックには端末と回線を用意し、成増厚生病院のサーバーへ接続して利用するという形です。患者が別のクリニックで診察を受けたとしても、医師たちは同じカルテを参照して診察ができます。

「成増厚生病院は基本的に入院医療機関となり、一方で外来は地域に密着した形で行いたいという考えから、翠会では成増駅前などにクリニックを開設しているほか、数カ所のクリニックと提携をしています。ですから、クリニックとの情報連携は電子カルテのスタート時から行っています」(新貝氏)

さらに2006年には、地域連携システムを立ち上げ、地域の関係機関とさらなる密接な連携を図るようになりました。IBM WebSphereソフトウェアを活用した Webアプリケーションとして作られたシステムだからこそ、このような地域連携も容易に行えました。また、利用者が多いシステムであることから、IBM DB2 Universal Databaseのレプリケーション機能を用いて参照用のサーバーを別に用意し、システムの障害にも備えています。



 ■将来の展望
スタッフ全員がセキュリティーを意識。今後は経営情報を可視化するシステムが必要
金子 達郎 氏
成増厚生病院
IT医療推進室
室長 金子 達郎 氏
成増厚生病院の電子カルテシステムは、立ち上げてから既に5年が経過しています。

「導入直後から今日にわたり、アピウスの協力の下で、精神科独特の業務への対応や、現場での使い勝手を向上させるための機能強化を図っていきました。例えば、生活暦年表、電話相談記録の共有、ジェノグラム作成、未読検索、処方切れ・未読検索機能などです」(IT医療推進室 室長 金子達郎氏)

現場からのフィードバックを、アピウスが迅速にシステムに実装していくことで、「APIUS Psyche」は精神科向け電子カルテとしての完成度をより高めていきました。

また、使い込んでテンプレートが整っていくことによる効果も、発揮されてきました。

「作文機能のテンプレート、定型文などは、作り込んで数が揃ってこそ役に立つものです。また、電子カルテのデータもたまってきて、情報共有の効果が具体的に表れてきました。もはや二度と紙のカルテには戻れないと感じています」(垣渕氏)

同時に、システムを運用する中で、課題も見えてきました。

「電子カルテでは、データを丸ごと持ち出すことも可能です。カルテの情報は、個人情報の中でも特に重要な情報です。そこに気付いてからは、全員がセキュリティーを意識するようになりました」(米沢氏)

また、今後のIT導入に関しては、「電子カルテシステムは、医療の質を高めるための投資でした。これからは、その情報部分に『経営的な情報』を付加できればと思っています」(新貝院長)とのことです。

これからの医療機関は、地域のクリニックやケアサービス、福祉施設などとの連携が求められていきます。成増厚生病院の複数拠点での電子カルテ活用は、地域連携を実現する医療機関の良いモデルケースと言えるでしょう。




お客様情報
お客様名:医療法人社団 翠会 成増厚生病院
所在地:〒175-0091東京都板橋区三園1-19-1
URL:http://www.mhcg.or.jp/narimasu/
概要:1959年に開設された総合精神科病院で、当初57床から、現在では700床弱の規模となっています。「一般精神科医療」「アルコール関連医療」「老人医療・福祉」を三本柱とし、医療法人社団翠会をはじめとする翠会ヘルスケアグループの中心的存在として地域に根差した患者サポート体制を確立、病棟の機能分化や専門医療技術の向上に力を入れています。



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